家族が要介護に…

身内に介護が必要となった時、介護保険サービスを上手く活用する事で生活が変わってきます。
著者10名それぞれの、介護保険サービスを利用するまでの過程を紹介している本書で、介護の世界を知り、よりよいサービスが受けられることを願っています。

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【試し読み】

●悲しくも楽しい父の介護 【著者 岸良子】

だんだん少しずつ

田舎で独り暮らしの父が心配になり、子どもの小学校入学を機に「子守り」と称して、父を我が家へ呼び寄せました。実は、父はその数年前に膝の手術をしてから、生活に自信がなくなってきているようでしたが、同居し始めは張り切って新しい生活に、孫の世話にと頑張っていました。実際、パート勤めの私が留守の間、家に居てくれるだけでも大変助かりました。
私が休みの日は、父が元気なうちにと、父を連れてあちこちに観光や親戚、知り合いを訪ねたりしました。しかし同居して二年目頃から、だんだん少しずつ、物忘れや感情の起伏が激しくなってきました。道に迷って帰りが遅くなったり、イライラして訳の分からない事を言って怒鳴ったりするようになってきたので、認知症を疑って見守っていました。

さすが年の功

ある日、散歩に出かけた父が、警察官に連れられて帰宅しました。坂道で転んだらしく、見つけた方がひき逃げと勘違いして通報したとのことです。本人は、頭を打ったらしく傷もあり、暫く座ったまま呆然としていたと言うので、翌日、病院で脳の検査をしてもらいました。医師の診断では外傷よりも「脳の萎縮」が始まっているので、気をつけてあげて下さいとの事だったので、介護認定を受ける事にしました。
介護認定の診察の日、医師の「歳はおいくつになられましたか?」の質問に、多分忘れてしまっていたと思うのですが、「いくつに見えるかね?」と切り返し、忘れている事を悟られまいとします。また膝が痛いからと、何かに掴まらないと立てない風に前屈みになっていて、医師に「真っ直ぐ立ってみて下さい」と言われても掴まった手を離せない様子だったのに、看護師さんが「気をつけ!」と言った瞬間、思わずピシッと気をつけをしていました。私には付き添いへの労いの言葉と、転んだ時に助けていただいた方への感謝の御礼をと、気の利いた話をします。さすが年の功です。誤魔化しと、周りへの配慮は忘れていません。

つづきはAmazon Kindleストアにて

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